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親子間の葛藤

作成者 青年アカデミー(ip:)

作成日 2023-03-06

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内容



親子間の葛藤は、親の思考基準と子どもの思考基準が衝突することで発生します。


この場合、親の非でもなければ子どもの非でもありません。


人々は葛藤を是非の観点で考えるから問題が発生するのです。


多様な心理カウンセリング、人文学の講演、心理や心に関連する教育、助言などのほとんどは、


葛藤を誰かに非があるかのように話しています。

 



葛藤を治療するためのカウンセリングを考えてみましょう。


カウンセラーが親または子どものうち誰かの非を指摘するカウンセリングを行う場合、


是非の基準となるのはそのカウンセラーの基準であって


当事者である親と子どもの基準ではありません。


したがって親や子どもの思考基準に対して他人がその是非を論じてはならず、


軽率に口出しをしてもなりません。


もし葛藤がまったくない夫婦、親子、家族、恋人、友だち、知人などは、


どちらか一方が抑圧しているか、


お互い一切関心がない場合です。


関心があると葛藤は避けられないものです。


この時の葛藤は誰の非でもありません。


ただ自分の思考基準によって作られたものに過ぎないのです。

 



親と子どもの思考基準が異なるため親の基準も正しく、


子どもの基準も正しいです。


お互い基準が異なることを認めると葛藤は解決されます。


これが葛藤のヒーリングです。


ところがカウンセリングや心理についての専門知識があるからといって


その親や子どもの思考基準に評価を下して、


正しいか間違っているかを話しながら


カウンセラー自身の思考基準を主張するのをよく見かけます。


このカウンセラーの場合は、


カウンセリングや心理についての専門知識はあるかも知れませんが、


心と心理がはたらく原理を知らないので


カウンセラーとしての資質と能力は備えているのは言えません。

 



たまに自分の思考基準がまだ形成されていない子どもたちもいます。


親の言うことをよく聞き、


勉強もよくでき、


何でも親の指示通りにする従順な子どもたちです。


しかしこれは子どもの自我が形成されていないからです。


つまり自分の思考基準がないため親が言う通りに従うのです。


これは一見羨ましいと思うかも知れませんが、


この子どもたちは大人になった時に


自己実現を追求する上で困難を経験するようになります。

 



親が親の基準で子どもに話し、


子どもは子どもの基準を親に話す時に


対立と衝突が起こり、葛藤が生じます。


親と子どもはそれぞれの異なる基準をもっていますが、


対立と衝突が起ると、


親は親の基準を子どもに適用して強要するようになります。


このように親が自分の思考基準を適用して強要することは、


結局は子どもの思考基準は捨てて親の基準で生きるように強いることと同じです。




仮に親が「こんなふうに生きると幸せだ」という思考基準を持っているとしましょう。


この時の親の基準は親がそれまでの人生の記憶に基づいて形成された基準です。


親の記憶が子どものそれまでの人生で蓄積してきた記憶と一致することは決してありません。

 



 このように親の思考基準通りに生きていくとしたら、

 

 子どもには問題が起こるしかありません。


 逆に考えると、親の思考基準ではなく、


 自分の思考基準で生きていく子どもの方がより健康な自我を形成することができます。

 

 子どもにどのように思考基準を作るべきかを教えるのではなく、

 

 親の記憶によって作られた親の基準だけを適用し強要すれば、

 

 子どもに問題が起きるか、

 

 親子間の葛藤が継続されるしかありません。

 



このように親と子どもの間で葛藤がある場合、


これは親の非なのでしょうか、


それとも子どもの非なのでしょうか。


両方とも非はありません。


子どもは子どもなりに自分の思考基準を親に適用しているだけで、


親は今まで人生を生きてきた中で作られた自分の思考基準を子どもに適用しているだけです。


親子間の葛藤は、


その原因を知らなかったにしてはその代償はきわめて大きいといえます。


葛藤の原因が分からなければ時間が経つにつれ親子間の葛藤は深刻なものとなっていきます。

 



以前は思春期と表現したものを最近は「中二病」と表現することがあります。


中二病または思春期がなぜ起きるのでしょうか。


それは互いの思考基準が異なるからです。


親の思考基準と子どもの思考基準がお互い間違っていると考えるため


対立と衝突が起き、耐えきれなくなった子どもが反抗しはじめるのです。


中二病という現象が現れる理由は、


中学校二年生頃が自分の自我を形成していく時期だからです。


過去とは違って思春期の時期がどんどん早くなる理由は、


知識教育の強化により記憶が多くなったためです。


知識教育が強化されればされるほど


子どもたちは自分の思考基準を持つようになり、


自分の基準をすべての物事に適用するようになります。


親だけでなく教員との葛藤も次第に深刻になっている理由でもあります。

 



大人たちは子どもの思考基準が自分の基準と合わないからといって


その基準が間違っていると考えてはいけません。


子どもたちにも自分の思考基準が形成されたことを喜んであげなければなりません。


社会が、大人たちが子どもたちの思考基準を認めないがゆえに、


子どもたちも大人たちの基準を認めないのであり、


葛藤が生じるのです。


これは親の非でも子どもの非でもないのに、


切りのない葛藤が生じて社会的な問題にまで拡大しています。

 



葛藤は子どもも大人も互いの思考基準が異なることを知らないのが原因で生じます。


人間として生きていくと、


男と女の心が異なり、


親であれ子どもであれ


唯一無二の自分だけの記憶と思考基準を持って生きているということを知らないがゆえに葛藤が生じます。


そして互いに基準が異なることを知らないために互いを認めず、


自分の基準だけを適用して主張することで葛藤が発生します。

 



親が子どもに自分の思考基準を強要することは、


子どもに対して親よりも劣る人生を生きるように強要しているのと同じです。


親の思考基準は親がそれまでに積み重ねた記憶を基にして形成された基準ですが、


子どもにそのような記憶が積み重なる機会を与えずに


思考基準だけを強要すると、


子どもには子ども自身に合う思考基準が形成されないことになります。

 



したがって親は子どもの思考基準を尊重しなければなりません。


子どもの思考基準が正しいか正しくないかを判断する前に、


子どもが自己主張をするようになったときは、


やっと子どもが自分の思考基準を表現できる人間として生きていけるようになったことを祝ってあげるべきです。


ストレスや傷を受けるのではなく、


自己実現を追求する思考基準ができたことを子どもに伝え、


他人と共に自己実現を追求することが、


人間関係においての幸福を追求することであることを教えてあげなければなりません。


そうすると子どもは人間関係の中で自分の思考基準を調整する能力を養い始めます。


子どもに富や名誉のような財産を遺すより、


子どもが人間関係の中で自己実現が追求できる能力を遺してあげるようにするべきです。

 



 親は自分の子どもを養育する権利を持っていると考えています。

 

 しかし親は子どもを健康に養育しなければならない義務だけを持っています。


 親は子どもが健全な思考基準を形成して、


 人間として自己実現を追求しながら生きていけるようにする義務だけがあります。


 親が子どもの思考基準を人為的に操作できる権利は持っていないのです。

 



反面、子どもは自己実現を追求する成人になるまで、


健全な自我を形成していく権利だけを持っています。


子どもが自我を形成していける権利を親が踏みにじってはいけません。


親が子どもに対する権利があると考えると、


その子どもには成人になって自己実現を追求する時に多くの問題が発生します。


健全な自我を形成できなかったために


成人になってから自我実現を追求する時に多くの困難を経験せざるを得ないのです。

 



 子どもが親の思考基準に対して腹を立てたり神経質になったりするのなら、

 

 その良し悪しを論じる前に祝ってあげなければなりません。


 笑顔で子どもに「ついにあなた自身の思考基準を持てるようになったのね、おめでとう」と言って一緒に喜び、


 その思考基準が正しいものなのか正しくないものなのかについて一緒に話し合いながら、


 子どもが自我を形成していけるように手助けすれば良いのです。


 子どもは自分の思考基準に合わないと、


 ストレスと傷を生じて苦しむことになります。


 これは今まで親も子どもも知らなかっただけなので誰の非でもありません。


 この原理について分かったなら、


 今からでも子どもにこのことについて教えて


 正しい思考基準が作られるように、


 また健全な自我を形成していけるようにしてあげなければなりません。



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