関係適応期で最も重要な人間関係は親子関係です。二番目が友達関係で、三番目が先生との関係です。関係適応期にいる子どもたちの人間関係は限られたものです。その限られた人間関係の範囲内で葛藤したり解決しながら関係を結びます。
子どもたちが関係適応をしていく最も良い環境は、正月やお盆など親戚たちが集まったときです。久しぶりに見る家族たちが集まっているので難なく適応ができます。同じ年齢代のいとこと喧嘩したりしても、自分をかわいがってくれるお爺さんやお婆さんもいるから仲直りもすぐにできます。
「私のオモチャ壊したAちゃんはもう嫌い!」
このときにAちゃんの母であるおばさんが子どもをあやします。
「これAちゃんのオモチャだけど、これあげる。Aちゃん、あなたが○○ちゃんのオモチャ壊したからこれあげてもいいよね?」
Aちゃんは頷き、○○ちゃんと仲直りをします。
関係適応期のときは、誰かがすぐに嫌いになったり、すぐに好きになったりしながら人間関係に適応する方法を学んでいきます。ところが忙しいからと言って関係適応期にいる子どもたちを放置する親もいます。関係適応期を順調に過ごしていない子どもは大人になっても対人関係に多くの困難を覚えるようになります。
例えば子どもが友達を家に連れてきました。お母さんが友達の○○ちゃんに親切にしてあげます。すると子どもは考えます。「○○ちゃんは私より勉強ができてかわいいから、きっとお母さんは私より○○ちゃんのほうが好きなんだ。○○ちゃん、うちに連れて来なければよかった」
子どもは悲しくなります。しかし子どもの気持ちを察することができない母は、友達に関心を示して優しくします。
「ママ、嫌い!」
子どもは自分の部屋に入り泣き出します。わけが分からない母は戸惑います。もし友達を連れてきた娘が以外の反応を示しているなら、嫉妬である場合が多いです。娘たちは母の関心が受けられないとそれが耐えられません。このような場合は母が娘をあやしてなだめてあげてこそ、それが傷として残らなくなります。