シングルマザー、シングルファーザー、あるいは両親がいないから子どもの心理に問題が起こるのではありません。

もし父親が毎日酒を飲んで、子どもに暴力を振るい、そのような家庭で作られる自己よりは、

他の父親の良い部分を見ながら自己をつくっていくほうが良い場合もあります。

父が子どもを殴る状況下で自己が形成されると、子どもが成人になってストレスを受けると、自分も知らずに暴力を振るう人になりかねません。

もし子どもに父親がおらず、健康な心理をもっている母の下で育った場合は、

自分も知らずに他の父親たちを見て自分ならではの父の像をもって自己を形成していくことができます。

もし父は不在で、母が毎日ストレスと心の傷を子どもに与えているなら、父の像がネガティブな形でつくられることになります。

ではシングルマザーだから子どもに問題が起こると見ることができるのでしょうか。

母の心理が健康が否かで子どもが形成する自己が異なってくるのです。

シングルマザー、シングルファーザー、あるいは両親はおらず祖父母と暮らしている子どもだから問題が起こるのではなく、

その家庭で子どもがどんな影響を受けるのかによって子どもの自己形成に問題を誘発します。

母子家庭、父子家庭でも母や父が健康で、子ども自身がストレスと心の傷をヒーリングできる能力をもつことができれば、

子どもは不在する親に対して自分なりのロールモデルをつくって健康な自己を形成していくことができます。