葛藤が生じる原因は相手に対する関心から始まります。

互いに無関心であるなら葛藤が生じることはありません。

関心を持つということは、自分と人間関係が形成されたことを意味し、

人間として一緒に幸福でありたいという気持ちから関心は生まれます。

もし自分に葛藤が生じて辛いと感じるなら、

一度考え直して自分の思考基準だけがあるのではなく、

相手も相手の過去の記憶に基づいて形成された思考基準があるということを反芻すると葛藤は消えていきます。

そしてこのことを相手にも伝えてあげるとお互いの葛藤が解消されヒーリングがされます。

葛藤がヒーリングされると互いに対する関心はより大きくなります。

女性は傷が治療されて幸福の感情が生成され、

男性は気分が良くなり相手により関心を向けるようになります。

皆さんは葛藤を回避しようとしてはいけません。

葛藤を回避すると、結局は互いに無関心になるか、

感情を抑圧して生きることになります。

したがって葛藤が生じた時は、

葛藤の原因について考えると葛藤はヒーリングされることになります。

自分自身がヒーリングされた後で、

相手に自分が知っている葛藤の原因を伝えてあげると相手もヒーリングされるのです。

葛藤をヒーリングする方法は、

互いの思考基準が異なることが無意識の習慣で分かるようになると、

葛藤が発生する状況に直面しても、

自動的に思考基準が異なるということを思う起こせるようになります。

そうできるためには習慣を作るための努力が必要であり、

習慣として定着するまで努力を続けなければなりません。

もう一つの方法は、

相手の思考基準が間違っていると判断していないか反省日記をつけます。

相手の思考基準が間違っていると考えることでストレスや傷が発生しているのではないかを分析できます。

すると発生したストレスや傷をヒーリングできるようになります。

したがって人それぞれ異なる思考基準を持っていること、

互いに関心を持っていることなどを知ることが葛藤のヒーリングです。

そして知っている内容を相手に伝えてあげると相手の葛藤もヒーリングできます。

このような葛藤のヒーリング方法は夫婦間の葛藤、嫁姑間の葛藤、家族間の葛藤、親子間の葛藤、

恋人間の葛藤、友だち間の葛藤、仕事上での葛藤、

そしてその他のあらゆる人間関係において生じるすべての葛藤に適用できます。

自分と相手の両方に適用することで自分が間違っているわけでも、

相手が間違っているわけでもないことを伝える必要があります。

自分が表現したことを相手が記憶しており、

相手が表現したことを自分が記憶していることを知って、

互いに表現したことを記録してみると、

自分と相手がそれぞれどのように認識し、表現したのかが分かるようになります。

互いに相手のせいにしながら葛藤が生じたということは、

その葛藤の大きさだけ関心があるという意味です。

それだけ健康で健全な愛をしているという意味です。

ただ思考基準がお互い異なる事実を知らないがゆえに葛藤が生じていたのです。

このことが正確に分かると自分も相手も間違っていないことが分かり、葛藤は解消されます。

つまり相手の思考基準が自分の思考基準と異なることを認めれば葛藤がヒーリングされるのです。

特に葛藤が生じた時、互いの基準に対して正しい正しくないを論じてはなりません。

互いの思考基準が異なるだけで、

自分の立場で相手の思考基準が間違っていると是非を話し出すと、葛藤は解消されずヒーリングもされません。

自分の知らなかったがゆえに犯した失敗に対して「それは正しくない、間違っている」と批判してはいけません。

間違っているという概念は被害者と加害者を区分して、

自分と相手のうちどちらかが必ず間違っていると判断せざるを得ない状況になります。

母娘間の葛藤で是非を語ると、

母親は娘が間違っていることを望むことになり、

娘は母親が間違っていることを望むことになります。

他の葛藤においても同じです。

人間関係において葛藤は悪いものではありません。

人間関係において心と心理がはたらく原理が分かると葛藤はヒーリングされ、

葛藤は幸福を築くための根源になるのです。

人間の心と心理がはたらく原理はみんな同じですが、

認識と表現する心理が異なり、

お互い異なるのであって間違っているわけではありません。

人間は皆同じです。

人それぞれ異なるだけで、

間違っているのではありません。

間違っているのではなく、知らなかったがゆえに失敗をしただけです。

葛藤が生じた時、誰かが間違っているから葛藤が生まれたのではありません。

人間は人生において自己実現を追求し、自己実現のために最善を尽くして生きています。

それで人生には次善策は存在しません。

ただ最善を尽くすのみです。

ただ、調和と秩序の義務に反する行為をした時はこれに対する責任を負わなければなりません。

このように権利と義務の均衡を保ちながら生きていくのが人間の生であり、人生です。

このような権利と義務を蔑ろにして自分自身の幸福だけを追求しようとするのなら、

他の人々には被害を与えずに一人で存在すれば良いです。

自分一人で存在しながら自由を追求する人は、

人間関係においての自己実現を追求するための調和や秩序を壊すことになります。

すると、自己実現は無意味になります。

調和と秩序を守らない状態で自己実現を追求することは、

もうすでに歪曲された病的な自己実現です。

これを心理障害（心理に障害が発生したこと）と言います。

皆さんも人間であるため心と心理がはたらく原理は適用されます。

どんな知識人や専門家であっても葛藤は当然生じます。

この時に心と心理がはたらく原理を知っていれば、

相手と葛藤が生じても、自分のストレスと傷がヒーリングされ、

相手のストレスと傷もヒーリングされます。

これが葛藤のヒーリングです。

皆さんに葛藤が発生して、腹が立ったり、いらいらしたり、神経質になったりすることがあるとすれば、

今まで読んできた内容を適用してみてください。

自然に葛藤が解消されヒーリングされるでしょう。

皆さんは葛藤をヒーリングする方法も理解できたはずなので、

今日からは愛する人々、親密な人々、友だちや知人に適用してみてください。

葛藤がヒーリングされて幸福な心になれるでしょう。